嫌われてると思ってたのに-秘めた視線の果て-【読破!読みモノシリーズ】

『嫌われてると思ってたのに-秘めた視線の果て-』
新井理美、25歳。入社3年目の彼女は、地方支社での勤務を足がかりに、東京本社への異動を夢見て日々奮闘していた。明るく真面目な性格で、同僚からの評判も上々。だが、彼女の前に立ちはだかる最大の壁は、支社のエースであり上司の岡田健行、32歳だった。
岡田は仕事の鬼だ。整った顔立ち、落ち着いた物腰、部下からの人望も厚い完璧な男。誰もが彼を尊敬するが、なぜか理美にだけは冷たく、厳しい態度を崩さない。ミスをすれば鋭い指摘が飛び、会議では彼女の意見を一蹴。理美は内心、「嫌われてるんだ……」と落ち込みながらも、彼の仕事ぶりに心のどこかで憧れを抱いていた。

「新井、この資料、穴だらけだ。やり直しな。こんなレベルで東京狙ってるつもりか?」
岡田の低い声が響くたび、理美は唇を噛む。だが、彼の指摘はいつも的確で、理美を成長させるものだった。そんな複雑な関係の中、ある夜、ふたりの距離が一気に縮まる出来事が起こる。
取引先との会食後、理美と岡田は取引先の部長と一緒に駅へ向かっていた。部長は酒に酔い、理美に馴れ馴れしく絡み始めた。肩に手を置き、下品な冗談を投げかけ、理美の腰にまで手を滑らせる。理美が気まずく笑って流そうとすると、岡田の声が氷のように冷たく響いた。
「彼女に触るのはやめろ。冗談でも不愉快だ」
岡田の目は鋭く、普段の穏やかな彼とは別人のような威圧感があった。部長はバツが悪そうに手を引き、場は一瞬で凍りつく。理美は驚きつつ、岡田の行動に胸が熱くなる。「私のために……怒ってくれた?」

会食のメンバーが解散した後、理美と岡田は二人きりで駅までの道を歩いた。夜の街は静かで、街灯が二人の影を長く伸ばす。理美が感謝を口にしようとすると、岡田が突然立ち止まり、彼女を振り返った。
「新井、さっきの、大丈夫だったか?」
彼の声はいつもより低く、どこか優しい。理美はドキリとし、頬が熱くなる。
「はい、大丈夫です! 岡田さんが助けてくれて……ありがとう、ございます」
照れながら答えると、岡田はふっと笑い、理美をじっと見つめた。
「そうか。ならいい。けど……」
彼は言葉を切り、理美に一歩近づく。その距離に、理美の心臓が跳ねる。
「お前が急にめっちゃ可愛く見える呪いにかかった。今、急速に惹かれてるんだけど……不快か?」

理美は息を呑んだ。岡田の瞳は真剣で、いつも冷たい彼の表情に、熱い欲望が宿っている。
「不快、じゃないです……けど、岡田さん、急に何!? からかってるんですか?」
声が震え、理美の頬は真っ赤になる。岡田は小さく笑い、さらに近づいた。
「からかってねえ。俺も自分でびっくりしてる。お前、いつも真っ直ぐで、さっきのあの状況でも嫌がりながら笑ってた。その顔が、頭から離れねえんだよ」
理美の頭は混乱していた。いつも厳しい上司が、こんな言葉を口にするなんて信じられない。だが、岡田の熱い視線と、近くで感じる彼の男らしい香りが、理美の理性を揺さぶる。
「岡田さん、私、いつも怒られてるから……こんなこと言われても、信じられないです」
小さな声で言うと、岡田は自嘲気味に笑った。
「厳しくしたのは、俺の不器用さだ。お前が他の奴と笑ってるの見て、ムカついてた。気づいたら、お前のことばっか見てた」
その告白に、理美の胸は高鳴る。気づけば、岡田の手が彼女の頬に触れていた。熱い指先が肌を滑り、理美は思わず目を閉じる。次の瞬間、岡田の唇が理美の唇に重なった。柔らかく、ほのかにタバコと酒の香りがするキス。理美の頭は真っ白になり、彼の熱に溺れる。
「んっ……岡田、さん……」
理美の小さな声に、岡田のキスは深くなる。舌が絡み合い、理美の身体が火照る。岡田の手は彼女の背中に回り、強く抱き寄せた。
「理美、こんな反応されたら、俺、止まれねえぞ。欲しいんだ、お前が」
彼の声は低く、欲望に震えていた。理美は恥ずかしさで顔を赤らめながら、彼の胸に手を置く。
「私も……岡田さんのこと、嫌いじゃない。欲しい、って……思ってるかも」
その言葉が引き金だった。岡田は理美の手を引き、近くのホテルのエレベーターに飛び込む。部屋に入るなり、彼は理美を壁に押し付け、再び唇を奪った。
「理美、こんなこと、初めてだろ? 俺もだ。お前がこんなに欲しいなんて、初めてだ」
岡田の言葉に、理美は頷き、彼のシャツを掴む。
「岡田さん、怖いけど……あなたとなら、欲しい。私、全部あげたい」

岡田の手は理美のブラウスを乱暴に開き、ブラジャーを押し上げる。露わになった白い胸は柔らかく、岡田の唇がそこに触れると、理美は小さく喘ぎ、身体を震わせた。
「んっ……岡田さん、そこ、だめっ……感じちゃう……」
「ダメ? こんな声出してるのに? 理美、めっちゃエロいぞ」
岡田の声は甘く、理美の敏感な頂を舌で転がす。彼女の身体は正直に反応し、甘い吐息が漏れる。

スカートが滑り落ち、岡田の手が理美の太ももを滑る。秘部に触れると、理美はビクンと震え、恥ずかしそうに顔を背けた。
「やっ……岡田さん、恥ずかしい……見ないで、ください」
「見ないわけねえだろ。理美、こんなに濡れてる。俺のこと、めっちゃ欲しがってるだろ?」
岡田の指が理美の熱い部分をなぞり、彼女は声を抑えきれず、彼の肩にしがみつく。
「んんっ……岡田さん、ダメ、変になっちゃう……!」
「変になれよ、理美。俺も、お前で頭おかしくなりそうだ」
岡田はシャツを脱ぎ、筋肉質な身体を露わにする。理美の華奢な身体を覆うように抱きしめ、彼女の内側にゆっくりと入った。理美の熱く狭い感触に、岡田は低く唸り、理美は初めての感覚に甘い声を上げた。
「理美、めっちゃ気持ちいい……お前、こんなに俺を締め付けて……ヤバいぞ」
「岡田さん、激しすぎ……んっ、私、壊れちゃう……!」
ふたりの動きは激しさを増し、理美の喘ぎ声が部屋に響く。岡田の手が理美の腰を掴み、深い快感を求め合う。理美の身体は岡田に完全に委ねられ、ふたりは互いの名前を呼びながら頂点に達した。行為の後、汗と熱にまみれ、ふたりは荒い息遣いの中で抱き合った。


ふたりの関係は恋に変わりつつあったが、理美の東京本社への夢と、岡田の支社での責任が、ふたりの間に影を落とす。ある夜、理美を抱きながら、岡田が呟く。
「理美、俺、自己中だけど、お前を東京にやりたくない。ずっとそばにいて欲しい」
理美は驚きながら、彼の真剣な瞳に心を動かされる。
「岡田さん、私も……あなたと離れたくない。東京は、いつかでいいです」
だが、関係を続ける中で、避妊を忘れた夜が続き、理美の身体に変化が現れる。妊娠の可能性が、ふたりの間に重い現実を突きつける。岡田は理美の手を握り、決意を口にする。
「理美、もし何かあっても、俺が全部責任取る。お前は俺の女だ」
理美は涙を浮かべながら、彼に抱きつく。
「岡田さん、私、怖いけど……あなたとなら、どんな未来でもいい」
岡田と理美の恋は、職場での秘密を抱えながらも深まっていく。理美は岡田の厳しさの裏にある愛情を知り、岡田は理美の真っ直ぐな心に癒される。ふたりの未来は、仕事と愛の間で揺れながらも、互いを信じることで形作られていく。
「理美、俺、お前を幸せにする。呪いでも運命でも、お前は俺のものだ」
岡田の言葉に、理美は笑いながら彼の唇にキスを返す。
「岡田さん、私も、あなたを離さない。ずっと一緒に」
ふたりの恋は始まったばかり。呪いか、運命か――それは、ふたりがどんな未来を選ぶかにかかっている。