「盾の勇者の成り上がり」のスピンオフ!
「槍の勇者のやり直し」は、「盾の勇者の成り上がり」のスピンオフといった位置づけの作品です。主人公の「北村元康」は、現実世界で好きだった2人の女の子に無理心中で刺殺された事がきっかけで1度目の転移をしますが、異世界でも死にかけます。死にたくないと後悔をしていた元康は気付けば、初めて転移をした時間に戻っていました。全く同じ世界で元康が「どうやり直すのか」という点が最初の見どころです。【お知らせ】「盾の勇者」のスピンオフ「槍の勇者のやり直し」1巻が本日発売です! ありがたいことに盾の勇者に引き続きイラストを担当させていただきます。両作品あわせて、ぜひぜひよろしくお願いします! https://t.co/z662Vgeude pic.twitter.com/tzjYQuOoEf
— 弥南 (@liberation_zone) 2017年9月25日
元康の2度目の転移は、ウェポンブックに収納されていた武器「龍刻の長針」の「時間遡行」が原因でした。時間が戻されてもステータスやスキルが消えていないだけではなく、元康の記憶より高くなっていました。しかし、2度目の転移では、四聖勇者の1人「槍の勇者」として再び世界を救うのではなく、最愛の「フィーロたん」に会う事しか考えていませんでした。実は元康は「ギャルゲー世界」の日本から召喚された人物で、見た目や身体能力のほぼ全てのスペックが元から高く設定されています。転移する前の職業を「愛の狩人」と表現したり、語尾に「ですぞ」を付けたりと、ポジティブ過ぎるかなり変わった性格がファンからは評判です。
勇者としての行動よりもフィーロに再び会うために奮闘している元康は、1度目の転移時よりも破天荒過ぎる性格になっています。相手を敵と認識すると構わずスキルを発動して殲滅しようとします。未来でフィーロを育てた盾の勇者をお義父さんと呼び行動を共にしたり自分の目的のためなら手段を選ばない主人公らしからぬ性格・行動から本編の主人公よりも高い人気を得ています。男なら誰もが憧れるスペックを体現している元康ですが、過去に2人の女性に同時に刺されたりハニートラップに引っ掛かった経験がある事から、2度目の転移では「ほとんどの女性が豚に見えてしまう」という残念なトラウマが発動しています。物語序盤でパーティーとして紹介された3人の美女も元康から見れば服を着る豚にしか見えていません。女性が豚に見える事に加えて、フィーロの「プラトニックな方が好き」といった発言を聞いた事でナンパをしたり女性の誘惑に負けたりしなくなっています。
異世界系漫画が初めての方にオススメ!
アニメ化も決まった「盾の勇者」の外伝「槍の勇者のやり直し」が書籍版よりひと足先にコミカライズ連載スタートですぞ!作画のにぃと先生(@neet61 )が最高に可愛いフィーロたんを描いてくれましたぞ😍https://t.co/gtoCSOzt11 #異世界コミック #小説家になろう pic.twitter.com/Agq9p5TCO4
— コミックフラッパー編集部 (@comic__flapper) 2017年8月21日
主要人物のほとんどが人間ですが、舞台が異世界なので人間以外の魅力的なキャラクターも多く登場します。元康の最愛のフィーロも元は「フィロリアル」というヒヨコのような動物が進化して天使になった姿です。天使以外にも、様々な動物がモチーフとなっている亜人や四霊等の異世界ファンタジーならではの種族が存在しています。可愛い・格好良いといった多種多様なキャラクターから簡単にお気に入りを見付ける事が出来る作品でもあります。
「槍の勇者のやり直し」は、異世界系漫画が初めての方でも世界観を理解しやすい工夫が随所に見受けられます。作中に出てくる用語の説明がしっかりと行われているだけではなく、ゲームのようなウィンドウで簡潔に説明したりとシーンに合わせて最適な表現が行われているので、異世界初心者でも問題なくストーリーに付いて行く事が出来ます。また、異世界系漫画で重要な要素となるバトルシーンのクオリティーも高く、スピード感のある描写や元康の圧倒的な力による敵の殲滅等の爽快感を読むだけで得られます。
強くてニューゲームですぞ!「盾の勇者」外伝「槍の勇者のやり直し」開幕 https://t.co/VbBbsdWFsW pic.twitter.com/cxojvY9wyV
— コミックナタリー (@comic_natalie) 2017年8月21日
強くてニューゲーム状態の元康ですが、四聖勇者の1人が死ぬと転生時に巻き戻されるといった「時間遡行」のデメリットに序盤で気付きます。フィーロに出会うには四聖勇者全員を死なせないようにする必要がある事から予想外な行動を起こし続けます。特に、フィーロと再会するために欠かせない盾の勇者の護衛には全力を尽くし、勇者の存在を糾弾する三勇教を潰したりしています。しかし、守られている側の盾の勇者から怒られるクスッと笑えるギャグ要素や肩の力を抜いて読める日常パートも注目ポイントの1つです。シリアス要素だけではなく、複数の要素を取り入れている事で幅広い年代の読者から支持を得ています。
さらに、「伏線」の多さも「槍の勇者のやり直し」の特徴として挙げられます。元康の時間遡行能力である「龍刻の長針」ですが、元康本人は見覚えがないと断言しています。また、なぜ時間遡行の発動条件が元康の死ではなく「四聖勇者の誰かの死」となっているのか等の謎も存在します。それ以外にも、1度目の勇者としての重要な記憶のみを覚えていなかったり、細かな設定が以前と異なっています。物語が進むに連れて徐々に伏線は回収されていますが、それでも数多くの謎が潜んだままとなっています。ストーリーを楽しんだ後に、新しい伏線を探したり気付かなかった伏線を探し直したりと読むタイミングで違った楽しみ方が出来るといった点からも高い人気があります。