異世界vs自衛隊?漫画「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」の魅力をネタバレ込みで徹底解説!

「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」は、数多くある異世界系漫画の中で自衛隊や政治といった難しい問題も含めたリアルなストーリー構成が人気の作品です。今回は、作中に登場するキャラクターの魅力や注目してほしいポイントを紹介します。

突如現れたゲートからモンスター登場!自衛隊が派遣され異世界に!


「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」が、話題や注目を集めた理由の1つとして「もし、実際に異世界と繋がるゲートが出現したら」というコンセプトでリアルなストーリー展開をしているといった点が挙げられます。主人公が異世界に転移してチート能力で無双する王道異世界ファンタジーとは異なる新しい異世界ジャンルとして高い評価を得ています。


物語冒頭は、銀座のど真ん中に異世界に通じるゲートが現れた場面からスタートします。ゲートから出てきた異世界のモンスターに街中が大混乱となりますが、自衛隊や警察の活躍によりモンスターや敵軍を壊滅させる事に成功します。日本政府は、ゲートに繋がる異世界を「特地」と名付け自衛隊の派遣を決定します。作中では、「74式戦車」や「64式小銃」等の実在する戦車や兵器が数多く登場していて、ミリタリーファンも驚く細かな描写が魅力となっています。特地では、「使い捨てる事を想定して」現役ではなく廃棄・退役予定の少し古い兵器が使用されているといった細かな設定にも注目です。

頼りになる主人公や魅力的な女性キャラクター達が登場!


主人公の「伊丹耀司」は初登場で既に33歳、転移・転生なしの普通の人間という異世界系漫画では珍しい設定の主人公となっています。モットーが「喰う寝る遊ぶ、その合間にほんのちょっと人生」であったり、中学生時代から続く年季の入ったオタクだったりと一見すると適当に見えますが、「レンジャー」資格や空挺徽章等の様々な徽章を取得している意外な一面があるキャラクターでもあります。情に厚い主人公タイプで感情で行動するように思われがちな伊丹ですが、直感的な状況判断能力と咄嗟の判断力を持っていたり、危機察知・回避能力や逃走能力が非常に高い等、同僚や上司からは高い評価を得ています。

33歳の大人である伊丹は、自分や相手の立場に悩んだり銀座事件を経験した事がきっかけで妻の「梨沙」と離婚したりと「大人としての葛藤」を多く抱えています。また、伊丹は物語開始以前から重いトラウマを抱えていて、設定が細か過ぎる事から「今後の伏線ではないか?」と疑う読者も多くいます。読む事で伊丹の成長を楽しめるだけではなく、判断の是非を考えさせられる他の異世界系漫画にはないディープな一面がある作品となっています。


自衛隊側に注目が集まりがちですが、特地側にも魅力的な女性キャラクターが数多く登場する事も「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」の魅力の1つです。異世界系漫画で人気の高いエルフ族で金髪碧眼、整った顔立ちとモデルのようなスタイルの「テュカ・ルナ・マルソー」、銀髪のショートカットの「レレイ・ラ・レレーナ」、黒髪ロングヘアでゴスロリに似た黒い神官服の「ロゥリィ・マーキュリー」と全く異なる属性のメインヒロインの活躍を楽しめます。メインヒロインの3人以外にも美人ダークエルフや帝国皇女等もドンドン登場するのでお気に入りのキャラクターを簡単に見付けられます。


それぞれのメインヒロインは好意を持っている伊丹にアプローチします。お酒の力を借りて伊丹を誘惑するロゥリィ、伊丹の食の好みを研究して手料理を振る舞うレレイといったちょっとラブコメディ要素も見受けられます。異世界と日本政府や日本と各国等のシリアスなテーマの合間に肩の力を抜いてキャラクター同士の絡みや日常パートでクスッと笑う事も出来ます。

現代兵器と異世界モンスターとの交戦に注目!


「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」は、異世界系漫画で欠かす事の出来ない「バトルシーンのクオリティー」が高いという点も作品の特徴の1つです。日本政府の戦車とモンスターの交戦だけではなく、異世界人同士のバトルシーンにも注目してください。バトル中の各キャラクターの立ち位置や動きが分かる計算されたコマ割りに加えて、臨場感やスピード感のある丁寧な描写、見開きページの効果的な使い方から自然と漫画に引き込まれると評判です。バトル・アクション漫画としての爽快さもあり、読み応えのある漫画を探している方にもおすすめの作品です。

また、作中の随所に伏線が潜んでいるという点も作品が幅広い年代から支持を集めている理由として挙げられます。ゲートで起こる出来事は繋がりがないように見えますが、テュカを助けた事で後に炎竜を討伐する事になったり、帝国皇女のピニャが講和派として積極的に動き出した事がきっかけで、帝国に囚えられていた日本人の救出に繋がったりします。伏線を匂わす描写もありますが、いつ回収されるか分からない事もあり「伏線を探す」「回収方法を考える」といった2回目以降でも異なる楽しみ方も出来ます。

派手なバトルシーンが中心の特地側だけではなく、日本政府と各国の特地を巡る政治的頭脳戦も好評で、読み応えある作品となっており、オススメです。