【アニメ化決定】「MIX」の魅力をネタバレありで徹底解説!

2019年春アニメの1つとして日本テレビ系列で、話題の作品「MIX」が放送されます。あだち充先生原作のマンガ作品を原作とする「MIX」は、あの不朽の名作「タッチ」の流れを受け継ぐ作品として話題を呼んでいます。今回は、そんな「MIX」について解説します。


2019年春アニメの「MIX」は、1980年代に一大ブームを巻き起こした青春野球アニメ「タッチ」と同じ世界を舞台にした、同作の続編ともいうべき位置づけの作品です。そのため、若い世代だけでなく「タッチ」を購読・視聴していた40~50代の人達からも多くの支持を得ています。「タッチ」で上杉達也や浅倉南が躍動した名青学園を舞台に、新たなストーリーが紡がれます。「MIX」から見始めたという人も、「タッチ」をずっと見ていた人も、両方ハマれる、そんな作品です。原作となるマンガは、小学館の月刊誌「ゲッサン」で連載されています。

同作品には、「タッチ」でヒロイン・浅倉南役を演じた日高のり子さんも出演されています。


あの「タッチ」から30年後を舞台に

舞台となるのは、「タッチ」の時代から約30年後の明青学園です。同作の時代にエース・上杉達也の活躍で全国制覇を成し遂げた明青学園野球部ですが、約30年後の現在はすっかり低迷し、長く甲子園からも遠のいている状態でした。中等部の野球部に所属する主人公の立花投馬・走一郎兄弟は、そんな環境の中で鬱屈する毎日を送っていました。中等部の野球部では、監督の意向で対して実力のない3年生投手が、エースとして起用され続けて続けていたため、2人にあまり出場機会が巡ってこないためです。そのため、他行への進学すら考えていた二人ですが、3年生投手が「ある理由」のために大病を隠し、監督に直訴してまで投げ続けていたことを知り、和解します。

時は流れ、兄弟は高等部へと進学し、本格的に甲子園を目指して活動を開始します。投手の投馬・捕手の走一郎のバッテリーを中心に、内部進学の同級生や、外部からの編入生たちが加わり、甲子園を目指すためのチームが結成されます。果たして、新生・名青野球部は強豪ぞろいのch九大会を勝ち抜き、甲子園の夢を掴むことができるのか、というのが大まかなストーリーになります。

また、「タッチ」が死別した双子の兄弟と幼馴染の少女という、不安定な3人の関係を青春を絡めて描き出していたように、今作の「MIX」にも兄弟とヒロインを主題にしたもう一つのテーマがあります。主人公の投馬と走一郎は「血の繋がりのない同い年の兄弟」という関係であり、そんな2人の目線を通した心の動きや、2人を取り巻く環境、周りの人達の距離感などが丁寧に描かれます。また、今作のヒロインは2人と兄妹の関係でもあり、片方とは血のつながりがありもう片方とは血のつながりがない、というより複雑で不安定なトライアングルが形成されています。3人の、特に血の繋がっていない走一郎とヒロインの微妙な関係性にも注目です。

義兄弟×義兄妹

「MIX」に登場する主なキャラクターについても紹介しましょう。
立花投馬は主人公の一人で、明青学園野球部に所属しています。右投げ右打ちで、ポジションは中等部2年までは、監督の方針で主に三塁を守っていましたが、2年生の秋以降は投手となり、高等部ではエースとして部をけん引します。同い年の走一郎とは血の繋がりはありませんが、親同士が再婚したため、義理の兄弟となっています。また、「生年月日が全く同じ」という偶然も重なり、憎からずの関係です。選手としては、優れた観察力と吸収力を持っていて、他者のフォームを取り入れる技術に長けています。

投馬と対をなすもう一人の主人公が、義兄弟の立花走一郎です。生年月日は投馬と全く同じですが、出生時刻が10分先だったため、形式上は「兄」ということになっています。野球部では正捕手を務めていて、投馬の投手転向後は義兄弟でバッテリーを組んでいます。強打と俊足を併せ持った選手で、頭の回転も速く他人の行動を読む事に長けています。投手としての能力も高いものを持っていて、監督からも転向を持ち掛けられたことがありますが、「ある事情」からきっぱりと固辞しています。

物語のヒロインとなるのが、2人の妹の立花音美です。正確には走一郎の実妹にあたり、投馬とは血の繋がらない義兄妹の関係です。学校では吹奏楽部に所属しています。中等部時代は2年続けてミス明青に選出されるほどの容姿の持ち主で、男子からの人気も絶大です。ファン的な人のあしらいは上手い一方、恋愛に関しては疎く、少々天然なところもあります。


序盤のキーパーソンとなるのが、中等部の野球部でエースを張っていた二階堂大輔です。実力はそれほど高くないものの監督の意向でエースの座に居座り続けており、OBである父親の威光だと思われていましたが、実は心臓の病を抱えており、病で命を落とす前にエースとして投げる姿を少しでも多く父親に見せる事で親孝行をしたいと考え、直訴して監督に協力してもらっていたことが判明し、奇跡的に手術が成功して生還した後、立花兄弟とも和解します。

この他にも、魅力的な人物がたくさん登場します。 タッチ世代も、タッチを知らない世代も楽しめる作品で、今から放送が楽しみですね。