【アニメ化決定】マンガ「鬼滅の刃」の魅力をネタバレありで徹底解説!

単行本の発行部数はなんと2年で300万部突破!今ジャンプで話題沸騰の大注目マンガの「鬼滅の刃」。2019年春アニメとしても注目を浴びています。ここではその「鬼滅の刃」が一体どんな作品で、どのような魅力を持っているのか紹介します。


「鬼滅の刃」は2016年11月から週刊少年ジャンプで連載中の吾峠呼世晴によるマンガ作品で、その売上数は2018年11月時点で300万部を突破した、注目の和風バトル物語です。2019年春アニメとして公開しています。全体的に絵の空気感が独特でとても綺麗な作品でありながら、ギャグ要素、シリアス要素も織り交ぜた、良い意味で異色な物語となっています。

妹が鬼と化して・・・

その物語の始まりは文明開化直後の大正時代。とある山奥で父のいない、貧しい家族のために町へ下り炭を売っている竈門 炭治郎(かまど たんじろう)の人生は、ある衝撃的な出来事で一変してしまいます。町人から鬼の話を聞いた炭治郎が朝家に戻ると、建物は無残に荒らされ、そこには血まみれになった家族の姿がありました。…唯一息があった妹・禰豆子(ねずこ)をなんとしても助けようと奔走する炭治郎。しかし、突然の禰豆子の雄叫びによって異変に気づきます。そこにはいつもの妹の姿ははなく、「鬼」と化した彼女が立っていました。炭治郎に襲いかかる禰豆子。そしてそこに突如現れ炭治郎を助けようとする謎の剣士・冨岡 義勇(とみおか ぎゆう)は禰豆子に刃を向けますが、彼女の心が完全に失われていないと見抜いた炭治郎はどうか妹を殺さないでほしいと懇願します。一悶着の末、禰豆子が普通の鬼とは違うと確信した義勇は炭治郎にとある場所に向かえと伝え、去っていくのでした…。

実の妹が鬼と化してしまう衝撃的なスタートを切るこの物語は、様々な苦難・困難や、禰豆子との絆、鬼殺隊というコミュニティと新たな仲間との出会いによって次第に逞しく成長していくストーリーへと紡がれます。竃門 炭治郎、その妹の禰豆子、弱気で調子者の我妻 善逸(がぜん あまいつ)、山育ちで好戦的な美少年、嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)らを中心として描かれていて、個性的な仲間に愉快な展開、かと思えば悲しい展開になったりなど、コメディーとシリアスがうまく組み合わさった作品となっています。

個性的なキャラクターが続々登場!

「鬼滅の刃」の魅力は、なんと言ってもその各キャラクターの独特な個性や、深い心情描写ではないでしょうか。主人公である竃門 炭治郎は非常に真面目な性格ですが、しかしよくあるバトル漫画のように単純な元気と根性だけで前に進もうとするのではなく、優しさや辛さを踏み越えてゆく、人間の弱さと真面目に向き合いながら、苦しみながら一歩一歩前進してゆく人格として描かれています。そんなひたむきな精神に勇気づけられた人も多いはずです。


我妻善逸はとても弱気な性格ですが、眠ることで緊張がほぐれ強くなる、というどこかの名探偵に出てくるような設定をもっています。しかし、決してその設定だけで進もうとはせず(というか本人は気づいていなかったりして)、大事な場面や一目惚れした禰豆子の前では臆病な自分を乗り越えようと必死に頑張る姿も見られます。またムードメーカー的な役割もあり、ピンチ時のひねくれた心情吐露は読者に笑いを誘います。


嘴平伊之助はイノシシの被り物をしているムキムキの野生児ですが、マスクを外せば美女と見紛えるような美貌を兼ね備えています。炭治郎と同じ山育ちですが、ほとんど一人で育ったため、登場時は普通の人間のような情緒性を持ち合わせていませんでしたが、仲間とともに過ごしていくことによって次第に心境の変化が起こります。特に炭治郎をライバル視しており常に張り合おうとしますが、何か困難につまずいたときには協力したり、不器用に励ましたりなど、優しさが芽生える側面も見られます。


そして物語のカギを握る、妹であり鬼である竃門禰豆子は、鬼化してからは人間を噛まないように口に竹製の口枷を噛ませており、その優しく兄思いな性格によって鬼と人間の間に踏みとどまっています。鬼の力を利用し戦ったりと兄のために力を尽くそうとしますが、時折鬼側に引っ張られて暴走することもあり、非常にデリケートな存在であると言えます。鬼殺隊の一同や鬼側も彼女の動向に注目しており、これから先の人間と鬼の世界において重要な人物として観察されています。ピンチ時に垣間見える、兄への想いを頼りに鬼化を耐えようとする姿は、非常に心打たれる描写になっています。


このようなキャラクターたちの他、鬼殺隊のメンバーや鬼の協力者といった仲間たちとともに、鬼舞辻無惨(きぶつじ むざん)と十二鬼月と呼ばれる謎多き敵の存在に向き合いながら様々な経験を歩んでいくことになります。また時代設定が大正時代ということもあり、衣装や言葉、町の風景などが独特な世界観、空気感をもって描写されており、その点も大きな魅力となっています。近代化が進み始める時代に、鬼という不可思議なモノの存在は、様々なテーマを想像することもできるのではないでしょうか?大事な人との死別、自分の弱さ、強大な敵を幾多も乗り越え、一歩一歩突き進んでゆく。シリアスで、しかし笑えて勇気をもらえる、そんな大正鬼退治マンガ「鬼滅の刃」を、一度読んでみてはいかがでしょうか。