日常パートもしっかり面白い!漫画「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」の魅力をネタバレ込みで徹底解説!

「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」は、オンライン小説の原作から幅広い年代の人気を獲得し、ファンからは「デスマ」の愛称で親しまれている作品です。今回は、他の異世界系漫画にはないデスマの魅力を簡単にまとめました。

デスマーチからはじまる異世界狂想曲(7) (ドラゴンコミックスエイジ)

仮眠してたら異世界に!偶然にチート能力獲得!

異世界系漫画作品の多くは「主人公が死ぬ事で異世界へ転生」をしますが、「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」の主人公「鈴木一郎」は仮眠を取った事がきっかけという珍しいパターンで異世界転生をしてしまいます。ゲームプログラマーで自身が担当していたゲーム作品のユーザーインターフェイスが視界に現れた事で異世界に来た事を知ります。他作品では本名や転生先の世界観に合わせた格好良い名前が使用されますが、こちらの作品では鈴木が現実世界のゲームで愛用していた「サトゥー」という本人が後悔してしまうような少し情けない名前となっています。

転生時は特にコレといったチート能力は持っていませんでしたが、目覚めた荒野で高レベルのモンスターに追われた際に、初心者救済システムの最強魔法「流星雨」を使用して辺り一帯のモンスターや最強格の竜神アコンカグラを倒してしまいます。大量のモンスターを討伐した事でレベルが「310」まで上昇し、「体力・魔力・スタミナが3100ポイント」「残る全ての能力値はカンスト」といったその世界ではあり得ない能力値や莫大な財産等のチート能力を手に入れます。主人公が最初に訪れた村にいる騎士団の最高レベルは40という事からレベル310がどれだけ異常か理解する事が出来ますよね。

一般的な異世界系とは異なり、サトゥー目線ではゲーム世界ですが、他の登場キャラクターはその世界で生活している「ゲーム世界への転生」となっています。必要に応じてスキルを取得したり行動によって自動的に称号を得る等、ゲーム好きの方には親しみやすい世界観も魅力の1つです。他の異世界系チート持ち主人公と同様に数多くのトラブルに巻き込まれますが、チート能力を駆使して全てのトラブルを解決していく爽快さもある作品です。

魅力的な女性キャラクターも続々登場!


タイプの異なる女性キャラクターが多く登場するといった点も「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」の特徴の1つです。サトゥーの性格の良さから出会った女性の多くから好意を持たれ、ハーレム要素もある程度ありますが、「家族や仲間としての絆」を重視したストーリー構成も多く取り入れられているので女性でも読みやすくなっています。


女性キャラクターの中で高い人気を得ているのが「ポチ」と「タマ」です。物語序盤にザイクーオン神殿で主人が死亡した事で同じ主人を持つ奴隷リザと共にサトゥーに拾われる事となります。それぞれ「犬耳族」と「猫耳族」という種族で可愛らしい見た目が特徴として挙げられます。ポチは語尾に「なのです」を付ける癖があったり、日常パートでは話のオチを担当する事も多いキャラクターとなっています。一方、タマはどちらかというと少しのんびりした性格の持ち主で語尾を間延びさせる癖があります。ポチとは違い、話のオチを飾る機会はほとんどなく、天才肌な一面が強調されています。このように、似ているキャラクターがいても性格や特徴が正反対だったりするので、お気に入りのキャラクターが見付けやすい・出会いやすいという魅力もあります。

また、「橘 亜里沙」というサトゥーと同じ日本生まれ日本育ちのキャラクターも登場します。自分と同じ境遇を持った転生者との出会いの物語といった他の異世界系漫画ではあまり見かける事のないエピソードも読む事が出来ます。橘 亜里沙が異世界に転生するまでの経緯やサトゥーと出会うまでに「なぜ奴隷になってしまったか」等、複雑なストーリーが用意されています。


シリアスパートだけではなく、日常パートも描かれている「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」は、クスッと笑えるシーンも多く存在します。程良いバランスで随所に日常パートが散りばめられているので、読んでいて疲れないイッキ読みしたい方にも適した作品です。

緻密な設定や重厚なストーリーが人気

転生先の世界設定がかなり細かいという点も「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」の魅力です。サトゥーが、ずば抜けたチート能力で難なくトラブルを解決している事や日常パートのホッコリ感から比較的平和なイメージを持たれがちですが、実際には危険な魔物が多く存在していたり、「厄災」「貧困」「奴隷」といった異世界系漫画にしては少し重いテーマが度々登場しています。サトゥーも旅をしているうちに意外とハードな世界である事を認識しますが、勇者や英雄になるのではなく「自分の出来る範囲で人助けをする」という信念を貫きます。

また、国家や都市といった地域の設定も細かく決められています。領土面積の広さだけではなく、種族別の人口割合がさり気なく記載されていたり、中には娼館や奴隷商会があったりと他作品にはない少しディープな要素や伏線も多く存在する事から読み応えもある作品となっています。