居酒屋漫画らしくお酒に合う料理が充実!
「異世界居酒屋「のぶ」」の舞台は、本当にどこにでもある普通の居酒屋です。大手チェーン店ではなく、個人が経営している落ち着いた雰囲気が特徴として挙げられます。店主兼大将の矢澤信之や看板娘の千家しのぶの衣装に懐かしさを感じる読者も多いですよね。異世界側であるアイテーリアは、「生の魚を食べる」という度胸試しがあったり、のぶがある周辺地域では新鮮な食材がなかったりと、「食」に対する意識が低い世界観となっています。異世界居酒屋のぶ、アニメの方は何度も見ているが、原作を読みたくなったので購入。アニメ版と内容が少し違ってる回があるんだな。 pic.twitter.com/Y6byYDuNXo
— BESAN@日々艦これ勤務 (@BESAN_T) 2019年1月7日
物語の序盤は、居酒屋らしく「お通し」や「お酒に合う料理」が多く登場しますが、アイテーリアの人々からすると未知の料理なので「オトーシ」や「トリアエズナマ」といったように「カタコト」で発言している様子が描かれています。私達が食べ慣れている料理も知らない人からすると「こういう風に見えているんだな」「感じているんだな」等の考察も楽しめます。また、物語が進んでいくと徐々に「ナポリタン」や「天ぷら」という居酒屋っぽくない料理も増えてきますが、他のグルメ漫画では取り扱われる機会の少ない「酒盗」等の居酒屋ならではの一品も登場します。
もちろん、居酒屋が舞台なので「お酒」に関する情報も登場します。料理に合わせたお酒の紹介も多いので今まで知らなかった料理とお酒の組み合わせを知るきっかけになったり、「自分だったらこの料理にはこのお酒!」と自分の好みに合わせたお酒を考えたりというお酒が飲める大人ならではの楽しみ方が出来る点も魅力の1つです。
ニコニコ漫画の「異世界居酒屋『のぶ』」がオススメです。 pic.twitter.com/p5MG09cigk
— 梨の上の蛙 (@ajdgmjdgwmtmjtn) 2017年6月20日
グルメ漫画でお約束の料理を食べた後のリアクションは控えめですが、大将の説明を無視して黙々と食べ続けている姿や言葉にならない驚いた表情等、リアクションなしでも料理の美味しさが伝わる作画力となっています。時折、回想のような感じで美味しさの説明をしていますが、他のグルメ漫画とはどこか違う「異世界系漫画ならではの特徴的な表現」も多いので読む際には注目してみてください。
もちろん、個性豊かなキャラクターが数多く登場します。特に、第1話に登場する近衛隊の2人や隊長のベルトホルトは様々なトラブルに巻き込まれます。ベルトホルトに関しては、途中で結婚したり、ヘルミーナとのお見合いを成功させるために嫌いなイカを克服させられたりと初登場時以外にも、度々登場しては読者を笑わせたり感動させたりします。
グルメ以外のストーリーも面白い!
ヤングエース献本届きました
— ヴァージニア二等兵 (@Virginia2touhei) 2018年2月28日
4月号、3/2発売です。
異世界居酒屋「のぶ」コミカライズは一挙2話掲載!第36話「牛すじの土手焼き」、第37話「自慢の一品」回。どちらも新キャラ登場、合計モノクロ56p!
のぶアニメ最新情報も掲載してますよ〜。
表紙は春河35先生の「文豪ストレイドックス」です! pic.twitter.com/Pn1zCGeKyC
「異世界居酒屋「のぶ」」は、基本的にショート・ショートのように1話完結や数話完結という構成が取り入れられています。序盤のストーリーや大まかな登場人物さえ把握していれば、どの巻からでも問題なく読み始められます。1話1話でしっかりと完結しているストーリーがほとんどなので、移動中やちょっとした空いた時間でも読める事から人気を集めています。
今月のヤングエースの異世界居酒屋のぶ のこのコマがめっちゃ好き pic.twitter.com/3djpHjWV3D
— 転/くるり@古都ごはん2好評発売中 (@kururirura) 2017年1月18日
異世界系漫画の中で珍しい「ファンタジーグルメ作品」ですが、料理の紹介や登場キャラクターを料理で感動させるだけではありません。要所要所にクスッと笑えるギャグ要素もしっかりと描かれています。物語全体では落ち着いた雰囲気の大人というイメージを持たれている大将におっちょこちょいな一面があったり、しのぶが考える最高の調味料が「背徳感」だったりと意外な設定も多くあります。また、大将としのぶ以外の常連客に好物や苦手な食べ物が用意されていて「なぜ好き(嫌い)なのか」という細かな設定が存在します。好き(嫌い)な理由の説明が簡単に済ませられている場合でも、後のストーリーで重要になる事も多く伏線探しが好きな方からの評判も高い作品です。
伏線探しだけではなく、伏線回収の秀逸さも注目して欲しいポイントです。のぶを潰すために登場したゲーアノートが、再登場には自分の職業を活かしてのぶの窮地を救ったりと予想外の展開も多々あります。常連客同士の交流や異世界の住民が現実世界に迷い込んだりと、主役2人以外の人間関係に注目しながら読むとより作品を楽しめます。
漫画に登場する料理を実際に作ってみるのも!?
久しぶりにご飯作ってみた
— たつお@飯アカ (@narihiranomai) 2017年8月6日
甘いナポリタンが食べたかったので…
イメージは『異世界居酒屋 のぶ』のしのぶちゃん特製ナポリタン pic.twitter.com/dYJkmOT36Z
異世界の食材を使った料理ではなく「現実世界の料理」が登場している事も「異世界居酒屋「のぶ」」の特徴の1つですよね。プロしか作れない高度なテクニックが要る料理ではなく、家庭でも気軽に作れる料理が多く登場しているので「読んだ後に自分で作って食べられる」といった点も魅力があります。公式レシピブックが販売されているだけではなく、漫画の読者の方が考案したレシピも簡単に見付ける事が出来ます。料理によっては漫画内でちょっとしたコツが描写されているので、料理スキルをアップさせる事にも繋がります。さらに、感動したエピソードに出てきた料理や食べた事のない料理を食べて、大将が作る料理を自分の舌で味わえる点も魅力的ですよね。