漫画「冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する」の魅力をネタバレ込みで徹底解説!少女を愛する全ての紳士におすすめする異世界モノ

『冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する』は小説投稿サイト「小説家になろう」で公開された同名小説のコミカライズ版です。原作者は斧名田マニマニ、作画唯浦史、構成渡辺樹、キャラクター原案藤ちょこ、ファンタジー・バトル漫画です。出版社はスクウェア・エニックス。


奇病によりギルドを追放・・・負傷した少女を助けたことで・・・

本作品を一言であらわすのならば、おっさんと少女の冒険物語。2人の出会いとストーリーを紹介していきます。


主人公ダグラス・フォードは、大都市バルザックのギルドでトップランカーとなり、いつしか最強の魔術師と呼ばれる存在でした。しかし10年後、37歳になったダグラスはギルドからライセンスの返納を迫られてしまいます。理由は身体能力の衰えが著しいこと。そして、1年前に発症したスキルを使用するごとにHPの最大値が減少するという奇病に侵されていることにありました。一度減ってしまったら最後、最大HPは元に戻ることはありません。このままスキルを使用し続けて最大HPがゼロになれば命はない、と医者に宣告されてしまいます。そのため、クエストで結果を出すことができなくなってしまったのです。ライセンスを剥奪されたダグラスは、ついに街を出て行くことを決意します。なんてついてないおっさん。以前の仲間にも馬鹿にされ、不便に思うしかありません。

バルザックを出て3カ月間、ダグラスは当てのない旅を続けていました。夜、森の中で傷を負って伏しているフィンリルに遭遇します。近づいたダグラスにフィンリルは威嚇。その時、ダグラスはフィンリルの腹部に呪印があるのを見つけました。これは変貌の呪いです。フィンリルが人から動物に変える呪いがかけられていること、このままでは死んでしまうことにダグラスは気がつきます。少女を動物に変え、あまつさえ傷を負わせるとは何たる悪行。これは少女を愛する世界中の紳士が許しませんね。

ダグラスは過去に数回、スキルによって呪いを解いた経験がありました。しかし、呪詛解除のスキルは強力なもので、使用すればHPがゼロになる、死ぬという恐怖がダグラスに襲い掛かります。目的もなくむなしく生きるよりも、誰かのために生きたかった、という強い思いから人助けの道を選びました。ダグラスは呪詛解除の詠唱を開始します。詠唱は成功、自身のHPが消えていくことをダグラスは感じながら意識がなくなります。

目覚めるとダグラスは自分が生きていることに驚きます。また、フィンリルがそのままの姿で視線を向けていました。不思議に思ったダグラスは自身のステータスを確認します。すると、HPが奇病にかかる前の正常な数値にもどっていました。奇病が治っていたのです。ダグラスはスキルがフィンリルから跳ね返り、自分に当たったのではないかと推察。ダグラスの奇病は呪いだったことに気づきます。

スキルが弾かれたとなると、フィンリルにかけられた呪いは禁忌の呪詛であることがわかります。禁忌の呪詛は術者本人しか解除ができない最高位の呪詛です。ダグラスではフィンリルを人間に戻してやれないということになります。ダグラスは思案の末、自分が呪いをかけた術者本人になればいいのでは、と打開策を思いつきます。

まずはスキルでフィンリルの記憶から、呪いをかけた術者の記憶を見ます。術者がわかったら、トレーススキルで呪いをかけた術者に変身し、そして呪詛解除を行えば理論上では呪いが解けるはずです。難易度の高いスキルの重複詠唱でしたが、ダグラスはなんとか成功させ、フィンリルの呪いを解くことができたのです。さすが最強の魔術師ダグラス。

舞い上がる砂煙が落ち着いていくと、女の子が姿を現します。フィンリルは小さな女の子だったのです。少女の裸を見れるなんて、うらやましいと世界中の紳士が思うことでしょう。フィンリルにされていた少女ラビから、天涯孤独であること、呪いにかけられる前に生活していた場所にはもどりたくない、ということを聞きます。そこでダグラスは、大都市バルザックでラビの世話をしてくれる人を探してみよう、と提案。おっさんと少女ラビとの旅が始まったのです。

旅はまだまだ始まったばかり、これから2人を阻む様々な危機が訪れます。それをどうやって解決していくのか、2人の愛情が試されていくことでしょう。物語を追うのはここまで、次は主人公ダグラスとラビを改めて紹介します。

ダグラス(おじさん)とフィンリル(少女)のプロフィール紹介


ダグラス・フォード
冒険者、37歳。10年前は大都市バルザックでトップランカーになります。その際には最強の魔術師ダグラスと呼ばれました。火炎魔法、水魔法、氷魔法、解呪魔法、鑑定スキル、といった多彩なスキルを使用することが出来ます。スキルを使用するごとにHPの最大値が減少する、という奇病にかかりクエストで結果を出せなくなってしまいます。それが原因でギルドのライセンスを剥奪され、バルザックを出て行くことになりました。

夜の森の中で呪いでフィンリルにされたラビと出会い、呪いを解呪して少女の姿に戻しました。その過程で自身の奇病が呪いだったことを知ります。呪いが解けた後のステータスは、レベル68、HP60900、MP56432。果たしてこの値がどの程度のものなのか、他のキャラクターと比較ができないためわかりませんが、以前にトップランカーにまで上りつめた最強の魔術師なので、高いステータスを持っていることが予想できます。身体能力も高く、こぶし一発で暴漢を吹き飛ばしました。孤児院からラビを連れ戻す際には、何があっても俺がお前を守る、と決意を新たにします。

ラビ
ダグラスが森の中で遭遇した謎の多い少女。呪いをかけられて姿をフィンリルに変えられ、衰弱していたところをダグラスによって救われました。大都市バルザックで世話をしてくれる人を見つけるため、ダグラスと共に旅をすることになります。おとなしい性格で知らない人の前ではダグラスの後ろに隠れます。他人の感情変化に鋭く、ダグラスが自身に呪いをかけた人物を知ったときには、なんでもなくない、苦しい時の顔してたもん、と彼の心中を指摘しました。

着飾った孤児院の子供たちをうらやましそうに眺める場面がありました。その様子を見たダグラスは貧しい服を与えてしまっている、という負い目からラビへ髪飾りのリボンをプレゼントします。しかし、目に留まっていたものはお菓子だったことが明かされます。花より団子でした。