アニメ「約束のネバーランド」の魅力を冒頭部分ネタバレありで徹底解説!

ここは親のいない子供たちが集まる孤児院、グレイス=フィールドハウス。この院には「ママ」と呼ばれるシスターと38人の子供たちが幸せに暮らしていました。特殊な勉強とテストで教育し、6歳から12歳の間に里親の元に送り出されると子供たちは教わっていました。 しかし外の世界の真実は非常に残酷なものでした。


300ページ以上のネームを持ち込みで連載へ!

「週刊少年ジャンプ」で連載中の「約束のネバーランド」は2016年から連載開始し、2019年1月にアニメ放送がスタートしました。原作者は白井カイウ先生、作画は出水ぽすか先生です。「約束のネバーランド」は白井先生が300ページ以上のネームを集英社に持ち込み連載までこぎつけたダーク・ファンタジーで、ジャンプのセオリーといわれる「友情・努力・勝利」から一見ずれているような作風ですが、本質は別の目線でジャンプの本質を見ている作品と言われています。


物語はママと呼ばれるシスターの「イザベラ」と赤ちゃんから12歳までの孤児である38人の「きょうだいたち」が一緒に暮らす孤児院「グレイス・フィールドハウス」から始まります。ここでは首元に認識番号を付けられ、小さい頃から特殊な勉強と毎日行うテストで教育し、6歳から12歳の間に里親の元へ送り出され孤児院の外の世界で幸せに暮らしてると聞かされていました。その中でも最年長で運動・成績ともに優秀な3人であるエマ・ノーマン・レイは子供たちのリーダーとして慕われていました。

ある日、里親に引き取られる事となったコニーを見送った直後、コニーの大切にしていたウサギの人形が忘れられているのを見つけます。急げば渡せるかもと思ったエマとノーマンは行ってはいけないと言われていた孤児院の門まで来てしまいます。そこでエマ達が見たのは、コニーが異形の「鬼」に殺され瓶詰となり出荷される様子と鬼達と話すイザベラの姿でした。そこでこの孤児院は鬼専用の「農園」であること。自分たちはそこで収穫される「食用児」であり、鬼たちにとっては自分たちは高級品であるという事実を知ります。今まで自分たちが暮らしていた孤児院での幸せは全て偽りで作られた世界だったのです。


キャラクター紹介

主人公・エマ
本作の主人公で人を思いやる気持ちが強くやや楽天的な性格をしています。11歳で最年長の一人でテストでは毎日300点満点を取り続けていますが運動や戦術ではノーマンとレイに一歩及びません。孤児院の真実を知り、自分だけではなく「きょうだいたち」を連れて農園から脱走しようと奔走します。


準主人公・ノーマン
最年長の一人でエマと同じ11歳で、テストも常に満点をとっています。3人の中で一番理性的で戦術や駆け引きも上手く運動能力も高いので「きょうだいたち」の実質的なリーダーです。その頭の良さ故全員で逃げることの難しさも一番わかっていて苦悩しています。脱走計画を練っている最中、イザベラから自分が12歳の誕生日を迎える前に出荷されることを告げられてしまいます。


準主人公・レイ
エマ・ノーマンと同じく11歳で、運動能力も高くテストも満点をとり続けています。読書家で二人に比べてどこか冷めた態度が目立ちます。実は胎児の頃から記憶が残っており、鬼側の人間であるイザベラとたった一人で命をかけた駆け引きを続けていたのです。今まで里親に送り出された「きょうだいたち」が本当はどうなったのか全て知っている為、半ば脱走をあきらめておりどうせ自分も出荷されるのなら、自分の価値を最大限まで引き上げたうえで台無しにしてやろうと考えています。



イザベラ
子供たちからは「ママ」と呼ばれていますが本名はイザベラといい孤児院のシスターです。しかしその実態は食用児の管理者であり鬼側の人間です。しかしあくまで立場は鬼に比べると低く、鬼に対しても敬語を使っています。普段は隠していますが首元にエマ達と同様に認識番号が振られており元々は食用児であった事、そして生き残るために今まで「きょうだいたち」を犠牲にしてきたと伺えます。 その生への執着の強さ故なのか知略・策謀に長け心理戦や駆け引きに非常に優れてます。加えて院内の子供たちには発信機が取り付けられており懐中時計型のレーダーで常に場所を把握・管理をしつつ食用児たちの動向を常に監視しています。



異形の怪物で大きさや形は個体によって様々ですが、身体は縦に細長。四肢が異常に長く仮面を被っており目が縦に二つ並んでいるのが基本的な特徴です。人間の肉を食料として重宝しており、特に頭が良く聡明な人間が高級品として扱われるようです。グレイス・フィールドハウスの出荷作業に来た鬼は食用児は高値で手が出ないと漏らしていました。外の世界はこの鬼が人間の代わりに支配をしており、脱獄をしても危険であることは変わりない上に、知性が高く力も人間よりよっぽど強いので生身ではまず勝てない存在です。


エマ達は鬼たちの世界がなぜできたのか、人間の文化がなぜ院内には残っているのか。今はそもそも西暦何年なのかなどの当たり前だと思っていたものから疑問を投じ、自分たちの状況を把握していくこととなります。加えてエマ達には及ばないものの秀才ぞろいの「きょうだいたち」の力を借りながら逆境を打ち破ることが出来るのか、これからの展開が楽しみな作品です。