ラノベ&マンガ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」の魅力をネタバレ込みで徹底解説!

小説家になろうサイトで人気を誇る、「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」の魅力をネタバレも込みで解説していきます。


交通事故で異世界に

「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」(以下、無職転生)の主人公は、現実世界においてニートの引きこもりでした。働きもせず、両親に甘えてばかりで、兄弟からも疎まれている状態でした。ある日、そんな主人公の両親が亡くなってしまいますが、主人公は我関せずといったように部屋にこもっています。そんな態度に我慢ならなかった兄弟たちが主人公を部屋から叩き出し、家からも追い出します。途方にくれる主人公でしたが、自分の今までの行いを鑑みて仕方ないといった、ある種諦観のようなものを抱いて雨の中歩いていました。そんな時、目の前を歩く三人の高校生たちが目に入り、そこにトラックが迫っているのを確認して庇うために飛び出します。ですが、高校生たちを突き飛ばした主人公はそのままトラックに轢かれて死んでしまうのです。

次に主人公が目を覚ました時、そこはすでに異世界で、主人公は赤ん坊になって転生していました。そしてその異世界には剣や魔法が存在していて、自分の父と母は剣士と魔法使いということがわかり、前世での経験から、この世界では後悔しないように全力で生きようと決意したのです。そこから、主人公はルーデウス・グレイラットと名付けられ、2歳にして家の中にある本を読み始めます。言語を覚え、文字を覚えたとき、魔法の本に書いてあることを実践して、魔法を身につけていきます。ある日、ルーデウスは威力の強い魔法を使ってしまい、両親に魔法の練習をこっそりしていたことがバレてしまいますが、それを知った母親は大喜びして家庭教師をつけます。父親はルーデウスを剣士にしたかったため、同時に剣の修行もつけることになります。そして家庭教師としてやってきたロキシーという魔族の女の子に魔法を、父親に剣を教えてもらいながら幼年期を過ごしていきます。


そのまま何年かが経過し、ルーデウスの元に家庭教師をやらないかという話がきます。そこで家庭教師をすれば、魔術学院へ通うための費用を出してもらえるという条件でルーデウスは家庭教師を引き受けますが、教える生徒が乱暴者の女の子で、出会い頭に殴られます。なんとかするために一芝居打ち、家庭教師を無事にこなしますが、事件が起こり、ルーデウスと教え子のエリスは別の大陸へと飛ばされます。飛ばされた先で、ひとりの魔族と出会い、助けられながら元の場所へ帰ります。元の場所へ帰り、様々な経験を積んで、日々を過ごすルーデウスでしたが、ある日人神という神と邂逅し、助言に従って行動していきます。最初のうちはいい方向へと進んでいきます。ですがある日、助言に従おうとしたルーデウスの前に、未来からきたルーデウスが人神のいう通りに行動してはいけないと忠告にきます。そして未来のルーデウスが語る内容は、ルーデウスにとって最悪に近い内容でした。それからルーデウスは人神と決別することを選び、対立し人神を倒すことを目指します。自分の家族を守るため、必死に戦いを挑んでいくというのが大まかなあらすじです。


この物語の魅力は、前世で何もしてこなかった主人公が生まれ変わって、前世では手に入れられなかったものを手に入れていくということがあります。誰でも「あの時こうしておけばよかった」といった後悔をしたことがあるのではないでしょうか。そんな思いを抱いた主人公が、実際にやり直す機会を得て努力していく姿はどこか羨ましくもあり、好感が持てる姿で、先はどうなるんだろうと気になって読み進めてしまいます。


泥臭い主人公や魅力溢れる登場人物

また、この手の物語にありがちな、主人公が抜きん出て最強ということがあまりないのも魅力の一つです。主人公でも敵わない相手が出てきて、どんな作戦を練ろうと、どんな好条件で勝負を挑もうと、勝てない相手が存在します。そんな存在の前に、負けた主人公が自分の家族には手を出させないために泥臭く足掻く姿も、胸を打つものがあり、大きな魅力になっています。登場人物一人ひとりも、それぞれに魅力があり、読んでいるとかなり親近感が湧いてきます。どのキャラにもそのキャラごとの個性がはっきりと出ていて、それがそのキャラの魅力として強く出ているので、どんなキャラにも好感が持てます。

このように、かなり魅力の詰まった作品となっています。主人公が成長していく姿を、幼少期から成人して、家族を持ち、その家族を守るために活躍する姿を見れる、そのキャラクターの一生を体験できる作品はなかなか貴重なものではないでしょうか。その一生をよんで、キャラクターの体験した人生を最後まで見れるという楽しみが、無職転生の持つ他の作品にはなかなか出せない魅力だと言われているのです。ぜひ読んでみてください。