この1冊でテンペストが丸わかり!マンガ「転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~」の魅力をネタバレ込みで徹底解説!

「転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~」は、兎人族の少女「フラメア」が魔国連邦テンペストのガイドブックを作る「転生したらスライムだった件」のスピンオフ漫画です。今回は、「転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~」の魅力や注目ポイントを紹介します。


「転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~」は、本編のリリムやゴブリン族等の主要キャラクターを主役にするのではなく、兎人族の少女「フラメア」という全く新しいキャラクターを主役に抜擢した作品です。フラメアは「好事家」といった審美眼と解析に特化したユニークスキルを持っていて、その能力に目を付けたリリム=テンペストから街のガイドブックを作って欲しいと依頼されます。

最初は、自分に大役が務まるのか不安があり乗り気ではなかったフラメアですが「衣食住の保障」や「滞在中の行動の自由」に加えて、「新商品や新施設が出来た場合は、真っ先に紹介してもらえる」といった破格の条件を提示されガイドブックの作成依頼を受けます。原作では描ききれなかった魔国連邦テンペストの細かな魅力までしっかりと描かれているので、より作品の世界観が掴めるといった点から高い評価を得ています。


物語序盤は、フラメアが魔国連邦テンペストに来たばかりなので魔物と人間が仲良く共存している姿に驚いたり、見た事も食べた事もない料理に興味を示したりと好奇心旺盛な姿が楽しめます。第1話冒頭からたこ焼きが登場し、食べただけでたこ焼きに使用されている小麦粉の生産地を言い当てたりと好事家の能力を遺憾なく発揮しています。フラメアのリアクションやグルメ漫画顔負けの味の感想も注目ポイントの1つです。


基本的にはフラメアが魔国連邦テンペストを散策しながら、街の良い所や美味しい食べ物を紹介している作品ですが、ダンジョン探索やシリアスなシーンも随所に用意されています。人間の子供達と死霊が闘うシーンは、バトルの様子が手に取るように分かるコマ割り・描写やスピード感がある事で手に汗を握りながらドンドンと読み進められます。その後に続くフラメアと謎の人物との接触等、引き込まれる展開となっているので一気読みが出来る漫画作品を探している方にもおすすめです。

また、ガイドブックという要素だけではなく「シリアス」や「ギャグ」等の他要素のバランスの良さも「転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~」の魅力です。全ての要素がしつこくなく、区切りが良い箇所で切り替わるので飽きる事なく読む事が出来るクオリティーの高い異世界系漫画に仕上がっています。


スピンオフ作品の醍醐味である「本編の人気キャラクターの登場シーン」が多い事も「転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~」の特徴として挙げられます。本編では見られなかった各キャラクターの日常の様子をフラメアとの絡みを通して知る事が出来たり、キャラクターの本編と普段のギャップを楽しんだりというスピンオフ作品ならではの楽しみ方が出来ます。

また、フラメアの入浴シーンやお風呂上がり等の少しセクシーなシーンが多いといった点で男性読者の心を鷲掴みにしています。見た目が可愛いだけではなく、出る所は出て引っ込む所は引っ込んでいるスタイルの良さにも注目してください。第1話で裸にタオルのまま窓を開けて外の様子を伺ったりとフラメアの意外と大胆な性格にドキドキさせられると評判です。初登場時には被っていなかった帽子をプレゼントされるシーン等、フラメアの内面的な可愛さを堪能出来るシーンも豊富です。


「転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~」には、本編を活かした伏線が多く用意されています。物語序盤からある謎の1つが「フラメアの名付けを行った人物」です。名前のない魔物に名前を付けるという事は、生命力と同義である魔素を必要とし魔素が足りなければ名付け親が死ぬ事もあり簡単に行われる事はありません。本編でリリム以外が名付けを行っているシーンでは、自分の欲や主の命令等の目的が多く見受けられる事から「名付け」を一体誰がどんな目的でフラメアに行ったのかという点に注目が集まっています。

原作の足りない部分を補完出来たり本編の小説版・漫画版をより一層楽しめたりと「転生したらスライムだった件」ファンの方だけではなく、原作を知らない方でも楽しめるストーリー構成となっている事も魅力の1つです。「転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~」を読んで興味を持ち原作を購入したという読者も珍しくないんですよ。今までの異世界系漫画にはなかった世界観を楽しむ事をメインとした「ガイドブック」というジャンルの良さを体感出来る作品です。ただし、「転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~」の時間軸が、第1話時点で本編の「魔国連邦テンペスト開国後」となっているので多少のネタバレを含んでいます。ネタバレしたくない場合は、予め本編を読み進めておく事が必要です。