青年漫画： 合法都市

　今回紹介する漫画は、「合法都市」です。作者はCUFFSや、Blood Lines（ブラッドラインズ）などでも知られている東條仁先生です。警視庁の敏腕刑事の漫画なのですが、ハラハラしたり、読んでいて手に汗握る展開が多く、とても見所の多い漫画です。読んだことがない方はぜひ一度読んでみて欲しい漫画です。

　おおまかな話の流れを少しご紹介します。話は10数年前にとある田舎町で大規模な油田が発掘されるところから始まります。その町は、莫大なオイルマネーによってその資金を元に田舎町を復興させた油田の発見者、盤流源一郎にちなんで盤流市と名づけられます。そして盤流源一郎は巨大な石油会社、バンリュー石油を創設し、その会長としてその名を広く知らしめます。盤流市はバンリュー石油の恩恵で一見誰もが憧れる楽園のような街に変貌しますが、その実は楽園を狙う無法者や無秩序な輩に対してバンリュー石油の社員が権力を使い厳しく処罰しており、そんな権力者たちに逆らうと逮捕や処刑ということさえあり、それが合法とされてしまう、合法都市となってしまったのです。

　そこで、殺人など認められるはずもない警視庁が、警視庁特捜部の凄腕刑事、遠藤優介を極秘潜入捜査として送り込みます。遠藤が過去に銃の密売で逮捕し無期懲役となった寺沢准一は、脱獄しコネでバンリュー石油に入社していました。遠藤は寺沢を探し出し、無期懲役から国外追放に減刑をもちかけられますが、遠藤を裏切り、射殺されてしまいます。そして遠藤は整形手術により寺沢になりすまし、バンリュー石油の幹部として潜入し、会長の盤流源一郎を検挙するため長い年月をかけて捜査をするのです。

　主人公をはじめ、男性から見ても格好いいイラストや、しっかりと作りこまれた世界観に夢中になってしまいます。主人公の遠藤が、逮捕術や格闘術に優れていて、無駄な殺人はしない、模擬弾入りの銃と本物の銃を所持し、バンリュー石油に命を狙われた人間を殺したように見せかけて街の外に逃がす、正義感の強い人間だったり、その遠藤が検挙しようとしている盤流は、盤流市民を大事にしていいて市民からの信頼も厚い、幼稚園などにも頻繁に顔を出していて子供たちからも人気だったりと、登場人物の魅力もこの作品の見所のひとつです。

　潜入捜査の漫画といえば、痛快ギャグアクションの「土竜の唄」もありますが、「合法都市」は海外ドラマのようなハラハラ、ドキドキな展開が見所ですね。登場人物の魅力、作り上げられた展開など、たくさん魅力があってオススメの作品です。マンガ読破！EXなら、この漫画も全巻無料で読めるので、気になった方はぜひ一度読んでみてください。

【代表作】
東條仁：「CUFFS」「Blood Lines（ブラッドラインズ）」「闘う執事」